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第6章 蝶のいざない

　スチョンは愚かではないから、もう娘のことで文陽君をからかうことはしなかった。



「お嬢さまのお召し替えをした時、気づいたんですけどね」



　スチョンは更に声を落とした。



「脹ら脛に鞭の跡がありました」



　文陽君は言葉を失った。


「つまり、鞭打たれた跡があったと？」



　衝撃すぎて、当たり前な質問をしてしまった。スチョンは深刻な面持ちだ。