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第39章 葛藤

　王が両手をひろげ、王妃は引き寄せられるままに広い胸板にたおやかな身体を預けた。



「そなたには負けた。世子嬪選びは、そなたの気の済むようにすれば良い」



　王妃が気遣わしげに言った。



「今一つ、釈然としない言い方だわ。それは、どういう意味？　あなたは今もやはり、納得していないのかしら。私が強情に言い張るから、仕方なく根負けしただけ？」