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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第40章 花、薫る夜
事実、世子の幼少期には、高官である父親に連れられた幼い令嬢がしばしば中宮殿に参上したものだ。そこで世子の実質的な〝見合い〟が行われたのは想像に難くない。しかし、世子自身が強い拒否反応を示したため、いつしか、それも行われなくなってしまった。
もとより、公的なものではなく、あくまでも宮廷人たちの噂の域を過ぎない話だ。それが時ここに至り、人の口の端に登ったどころか、その存在さえ知られていなかった息女が指名されたのである。
もとより、公的なものではなく、あくまでも宮廷人たちの噂の域を過ぎない話だ。それが時ここに至り、人の口の端に登ったどころか、その存在さえ知られていなかった息女が指名されたのである。