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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第40章 花、薫る夜
桂花は女装して生きたかっただけで、女になりたかったわけではないのに、今の自分はどうだ、男としての金冒はとっくに死んだことにされ、〝金桂花〟という完全な女として存在している。
これが本当に自分の望んだ生き方だったのか? そんなはずはない。けれど、自分は賛を愛してしまった。彼の側にずっといるためには、彼の〝妻〟、女性として生きるしかすべはないのだ。自分の心に折り合いをつけたはずなのに、ともすれば〝男〟を捨てたことへの未練と執着が頭をもたげる。
これが本当に自分の望んだ生き方だったのか? そんなはずはない。けれど、自分は賛を愛してしまった。彼の側にずっといるためには、彼の〝妻〟、女性として生きるしかすべはないのだ。自分の心に折り合いをつけたはずなのに、ともすれば〝男〟を捨てたことへの未練と執着が頭をもたげる。