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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第41章 それぞれの想い
清明は当時としては類例のない、情熱的な恋愛結婚の末、金明基と結ばれた。
清明がはるか昔の若かりし頃を思い出しているのか、フと笑う。
「我が息子は畏れ多くも世子邸下をお慕いしてしまいました。そのときから、息子はもう知らずに自分の運命を選択していたのだと思います。息子が世子邸下の側にずっといるためには、〝男〟ではいられない。あの子も、そのことは嫌というほど判っていたでしょう。中殿さまは、ただ冒に愛する方と共に生きる人生を指し示して下さっただけ。最終的に決めたのは他ならぬあの子自身です」
清明がはるか昔の若かりし頃を思い出しているのか、フと笑う。
「我が息子は畏れ多くも世子邸下をお慕いしてしまいました。そのときから、息子はもう知らずに自分の運命を選択していたのだと思います。息子が世子邸下の側にずっといるためには、〝男〟ではいられない。あの子も、そのことは嫌というほど判っていたでしょう。中殿さまは、ただ冒に愛する方と共に生きる人生を指し示して下さっただけ。最終的に決めたのは他ならぬあの子自身です」