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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第42章 最終話 【風の鎮魂歌~龍の棲む村~】
☆「秘苑の蝶」第一部第二話「風舞う桜~龍神の花嫁~」スピンオフ作品。一年に渡って書き継いできた長編「秘苑の蝶」第二部ここに完結。
女に欺された男は失意と絶望のあまり、老いた母と幼い娘を捨てた。霧深い秋の早朝、村を出た男は二度と戻ってこなかったー。
孤独な青年が辿った心の軌跡と、やがて運命の女と巡り会い絶望のどん底から立ち上がるまでを描く魂の再生録。
**********(本文より抜粋)
歴史を作ったのは、けして王や王族、両班と呼ばれる後世の歴史に名を残した特権階級の人々だけではない。名前さえ伝わっていない庶民もまた、歴史を作ったのだ。いや、むしろ彼らの方が貧困に喘ぎながらも、強い力で根底から国を支え時代を作った。民衆の逞しさは、いつの世も国を作る〝底力〟であったと忘れてはならない。
私たちよりはるか昔を生きた人々の涙が土壌となり、やがて後の私たちが生きる時代という美しい花を咲かせた。
歴史に名を残した有名人だけでなく、時代、歴史の底に沈んでいった人々をも余さず描くことが時代小説を書く者の務めだと私は思っている。
〝秘苑の蝶〟は、けして王と王妃をめぐる恋愛譚のみではなく、北の大地にしっかりと根を張って生きた名も無き民の話で幕を閉じる。
女に欺された男は失意と絶望のあまり、老いた母と幼い娘を捨てた。霧深い秋の早朝、村を出た男は二度と戻ってこなかったー。
孤独な青年が辿った心の軌跡と、やがて運命の女と巡り会い絶望のどん底から立ち上がるまでを描く魂の再生録。
**********(本文より抜粋)
歴史を作ったのは、けして王や王族、両班と呼ばれる後世の歴史に名を残した特権階級の人々だけではない。名前さえ伝わっていない庶民もまた、歴史を作ったのだ。いや、むしろ彼らの方が貧困に喘ぎながらも、強い力で根底から国を支え時代を作った。民衆の逞しさは、いつの世も国を作る〝底力〟であったと忘れてはならない。
私たちよりはるか昔を生きた人々の涙が土壌となり、やがて後の私たちが生きる時代という美しい花を咲かせた。
歴史に名を残した有名人だけでなく、時代、歴史の底に沈んでいった人々をも余さず描くことが時代小説を書く者の務めだと私は思っている。
〝秘苑の蝶〟は、けして王と王妃をめぐる恋愛譚のみではなく、北の大地にしっかりと根を張って生きた名も無き民の話で幕を閉じる。