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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
傷痕
今日も暑い一日になりそうだ。福秀(ボクス)は天を仰ぎ、腹の底から長い息を吐き出した。涯(はて)のない蒼穹は憎らしいほど晴れ渡っており、雲一つなかった。ボクスの心とは真逆の澄み渡った空に、彼はもう乾いた笑みを浮かべるしかない。
彼は手にした斧を地面に降ろし、首筋から背中へとつたい落ちる汗を無造作に首にかけた手拭いでぬぐった。彼は今、上半身は片肌脱ぎである。陽に灼けた風貌は苦み走った男前で、そんな彼が逞しい半裸を晒して薪割りをする姿はかなり人目を惹いた。
今日も暑い一日になりそうだ。福秀(ボクス)は天を仰ぎ、腹の底から長い息を吐き出した。涯(はて)のない蒼穹は憎らしいほど晴れ渡っており、雲一つなかった。ボクスの心とは真逆の澄み渡った空に、彼はもう乾いた笑みを浮かべるしかない。
彼は手にした斧を地面に降ろし、首筋から背中へとつたい落ちる汗を無造作に首にかけた手拭いでぬぐった。彼は今、上半身は片肌脱ぎである。陽に灼けた風貌は苦み走った男前で、そんな彼が逞しい半裸を晒して薪割りをする姿はかなり人目を惹いた。