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第43章 傷痕

　たとえミス本人がその気でも、父親のチャン氏がミスを手放さないだろうと母は言った。ボクスはそんなはずはないと言い張った。ミスは心のきれいな優しい女だ。ミスは自分を好いてくれている。父親に反対されても、きっと自分と生きる道を選ぶと信じ切っていた。




　彼の期待をミスは裏切らなかった。ミスはボクスの求愛を待っていたかのように受け容れた。しかし、肝心の母ソンシルに紹介するという段になると、途端に言葉を濁すのがボクスは気になった。




　それでも、結局はミスは彼の求めに応じてハクビ村を訪れ母と対面もした。母の危惧したように彼女の父はこの結婚に猛反対しているらしいが、ミスは意に介さなかった。