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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
どうやら、ボクスは妻に幻想を抱いていたようだと今更ながらに知った。ミスは実家でも、使用人たちには鼻つまみ者のお嬢さまであったらしい。下女の些細な過ちを咎め鞭打ち、若く見栄えの良い下男なら見境なく色目を遣う。その癖、父の仕事を習い覚えることもせず、花嫁修業も嫌がり、身を飾り立てることしか眼中にないという、とんでもない我が儘、横着娘だった。
自覚はないが、ボクスは美男だった。ミスがわずかなりとも彼との結婚に乗り気を見せたのは、ボクスの見た目が気に入っていたからにすぎなかったのだ。
自覚はないが、ボクスは美男だった。ミスがわずかなりとも彼との結婚に乗り気を見せたのは、ボクスの見た目が気に入っていたからにすぎなかったのだ。