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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
娘はじいっとボクスを見つめている。
妙に息苦しいし、胸の鼓動が不自然に速くなっている。ボクスはこれ以上、彼女といると自分が窒息するのではないかと危ぶんだ。狭い室に二人きりだという意識が更に彼を追い詰める。俄に息苦しさが増し、ボクスはぶっきらぼうに告げた。
「良い加減に一人にしてくれ」
我ながら随分と冷淡に響いた言い方だ。後悔しても今更だった。娘は可哀想なくらい狼狽え立ち上がった。
「ごめんなさい、私ったら、気がつかなくて。倒れて目覚めたばかりですものね、疲れますよね」
彼女は逃げるように室を出ていった。
妙に息苦しいし、胸の鼓動が不自然に速くなっている。ボクスはこれ以上、彼女といると自分が窒息するのではないかと危ぶんだ。狭い室に二人きりだという意識が更に彼を追い詰める。俄に息苦しさが増し、ボクスはぶっきらぼうに告げた。
「良い加減に一人にしてくれ」
我ながら随分と冷淡に響いた言い方だ。後悔しても今更だった。娘は可哀想なくらい狼狽え立ち上がった。
「ごめんなさい、私ったら、気がつかなくて。倒れて目覚めたばかりですものね、疲れますよね」
彼女は逃げるように室を出ていった。