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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第45章 新たな日々

ギルソンが物想いに耽っていると、娘の声が耳を打った。
「お父さま、お願いよ。彼を側に置いて」
この場合、彼というのが誰を指すのは判っていたが、敢えて空惚(そらとぼ)けた。
「ホホウ、お前がねだりごとをするとは珍しい」
見れば、娘は懸命な色を瞳に浮かべている。ギルソンが思うより、どうやら娘はあの男に惚れているようだ。これはボクスの過去を洗うのを少し早めた方が良さそうだ。
「お前が言う〝彼〟とは何者だ?」
「お父さま、お願いよ。彼を側に置いて」
この場合、彼というのが誰を指すのは判っていたが、敢えて空惚(そらとぼ)けた。
「ホホウ、お前がねだりごとをするとは珍しい」
見れば、娘は懸命な色を瞳に浮かべている。ギルソンが思うより、どうやら娘はあの男に惚れているようだ。これはボクスの過去を洗うのを少し早めた方が良さそうだ。
「お前が言う〝彼〟とは何者だ?」

