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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第45章 新たな日々
副行首はもう長年に渡って、彼の補佐をしてきた信頼のおける男である。しかも、ギルソンと同じく、妻に先立たれた男寡夫(やもめ)だ。彼がせめてあと十歳若ければ後事を託せるのだが、生憎と副行首はギルソンより三歳若いだけだ。彼にはよく出来た息子がいて、早くから息子も商団を手伝ってはいるものの、若くに妻帯して既に二児の父である。
ギルソンの気性からして、既に恋女房がいる男を無理に離別させて娘を押しつけることもできず、またごり押ししたとしても、ケトンが幸せになれるとは思えなかった。
気がつけば、ケトンの白い頬を大粒の涙がつたい落ちていた。
「お願いよ、お父さま。最後まで諦めないと言って」
ギルソンの気性からして、既に恋女房がいる男を無理に離別させて娘を押しつけることもできず、またごり押ししたとしても、ケトンが幸せになれるとは思えなかった。
気がつけば、ケトンの白い頬を大粒の涙がつたい落ちていた。
「お願いよ、お父さま。最後まで諦めないと言って」