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第9章 優しい日々

　町の治安や政に直接介入はできず、仮にできるとしたら、〝王族〟としての特権で身分に物を言わせて従わせるしかない。本来なら、彼が最も嫌いなやり方ではあるが、雪鈴を守るためなら、いざとなれば王族特権を行使するのも厭わないつもりだ。



　またしても物想いに耽っている中に、いつしか町の賑わいを抜け、屋敷が見えていた。一体、どんな表情をして雪鈴に相対すれば良いのか。コンは更に大きな吐息を腹の底から吐き出した。