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第9章 優しい日々

「コンさまは確か、役所の政治顧問という特別なお仕事をなさっているんですよね」



　態度だけは意識して何気なさを装っているものの、一介の地方両班の娘が王族と対等に物を言うなぞ、本来はあまりに畏れ多いことである。



　雪鈴の問いに、コンがハッとしたような表情になった。どう見ても考え事をしていたようである。やはり、仕事で疲れているのか。この場は長居せず、退室した方が良さそうだ。