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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第10章 再び春巡りて
邸外には出さないけれど、コンは雪鈴を伴い、よく庭を散策した。多分、彼なりに気を遣ってくれているのだと判る。コンの屋敷は地方に暮らす両班たちのものと大差ない。何でも以前の持ち主が跡継ぎのないまま亡くなってしまった屋敷を手入れしたのだという。
屋敷がこじんまりとしているから、庭もけして広くはない。が、定期的に庭師が手入れをしているため、樹も花もみずみずしい。殊に百花繚乱の季節を迎えた今、文陽君邸の庭は春の花が一斉に咲き乱れていて、見事なものだ。
屋敷がこじんまりとしているから、庭もけして広くはない。が、定期的に庭師が手入れをしているため、樹も花もみずみずしい。殊に百花繚乱の季節を迎えた今、文陽君邸の庭は春の花が一斉に咲き乱れていて、見事なものだ。