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第10章 再び春巡りて

　清明は目下、妊娠八ヶ月である。話し好きで、根っからの朗らかな人なのだと知れた。あまり初対面の人とは打ち解けにくい雪鈴ですら、すぐに親しくなれたほど人好きがする。




　彼女は十四歳の時、地方の名家の嫡子に嫁ぎ、彼女の夫君は地方在住のまま附馬として名誉職を与えられ、特に実務的な役職にはついていない。夫婦仲は極めて良好なのに、子宝が授からないのが唯一の悩みの種であったが、この度、成婚から八年目にして漸く待望の第一子を授かったとのことだ。