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第11章 祈り

　雪鈴は少し言葉を区切り、考え込んでいる。言葉を探しているようだ。



「言い訳になるかもしれませんが、あの時、そんなことを考えているゆとりはありませんでした。いつ雨が止んで、ここを出られるのか判らない以上、自分が倒れることはできません。清明さまのお世話をするためには、元気でいなければならないとの一心でした」



　コンはハッとし、次の瞬間、愚かな言葉を発したことを心から恥じ入った。