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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第4章 序章~最初の「死」~
いっそのこと、このまま倒れて永遠に目覚めることのない夢に入ってしまいたい。そんな誘惑に何度駆られたことか。
しかし、その度に良人のー亡きひとの今わの際の言葉がありありと耳奥で蘇るのだ。
ー私に万一のことがあれば、そなたは実家に帰れば良い。操を立てて殉死しようなどと考えてはいけないよ。
いや、正直に言おう。良人がわざわざ言い残さずとも、雪鈴は後追い自殺なんてするつもりは欠片ほどもなかった。