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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第11章 祈り

コンが静謐な声音で言った。
「崔家の嫡子は、強欲で冷酷な両親に似合わない、情のある若者だったと聞いた。そんな男なら、そなたの死を望みはしない。仮に俺が先立つ良人の立場であったとしても、妻の死を絶対に望まない」
雪鈴は声を上げて泣いた。ハソンの死以来、懸命に守り続けてきたものーそれは生命だけではなく、自らが人として生きる上での誇りでもあったーをやっと認めてくれる人がここにいる。しかも、そのひとは雪鈴が十六年の人生で初めて好きになった男だった。
「崔家の嫡子は、強欲で冷酷な両親に似合わない、情のある若者だったと聞いた。そんな男なら、そなたの死を望みはしない。仮に俺が先立つ良人の立場であったとしても、妻の死を絶対に望まない」
雪鈴は声を上げて泣いた。ハソンの死以来、懸命に守り続けてきたものーそれは生命だけではなく、自らが人として生きる上での誇りでもあったーをやっと認めてくれる人がここにいる。しかも、そのひとは雪鈴が十六年の人生で初めて好きになった男だった。

