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第12章 新たに生まれいでて

　彼と一緒にたくさんの時間を過ごし、想い出を貰った。時には彼のまなざしや口調に、単なる親切以上のものを感じたことがなかったわけではない。しかし、どう考えても、雪鈴はコンほどの地位も教養も兼ね備えた立派な男性に想われるほどではなく、垢抜けない田舎娘だ。




　恐らく彼の態度に好意めいたものを感じたのは、彼を好きすぎる自分自身の都合の良い勘違いなのだ。