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背徳のキス
第2章 1話目


※レヴァイアタン視点

ここは暗雲が立ち込める魔界。
その処刑場にて血の気を失った、愚かな魔界生物6体が逆さ吊りで支柱に拘束をされていた。
拘束に使われている麻縄は、一見ただのロープに見えるが、上級悪魔による強力な呪いがかけられている為、皮膚に食い込む事があったとしても、一切解ける事が無い。
非常に哀れだが、彼らは一介の天使に情報を流そうとしていた裏切り者だ。この世界において、「裏切り行為」は重罪なのだ。


魔物共の「助けてくれ」という恐怖に満ちた叫び声が徐々に大きくなる中、野次馬という名のキチガイが増えていく。


それは、1700,1800年代のフランスでギロチンの公開処刑をエンターテイメントとして楽しむ、感性のイカれた観客の姿を彷彿とさせるものである。


そして墨汁のように黒い海の水面が小刻みに揺れ始め、瞬く間に荒れ狂った海の中から、海域最凶の生物レヴァイアタンが顔を出した。
軽々とシャチのように、垂直にジャンプして、絶叫を上げる罪人達を支柱ごと丸呑みにしてしまった。


あまりにも一瞬の出来事である。


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