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妖艶な麗人
第1章 妖艶な麗人…
 ②

「変態女でしょう?…」

 妖艶な女装の麗人であるニューハーフのユリさんが、わたしをジッと見つめ、そう囁いてきた。

「えー、ユリさん、わかるのぉ」
 すると親友のマリが重ねてそう言ってくる。

「え…」
 ただでさえ、この彼女達の妖艶な美しさに魅了され気味のわたしは、このユリさんからの突然の言葉と、マリの追い打ち的な言葉に動揺をしてしまう。

「え、ど、どうして?」

「えー、どうしてってぇ、やっぱりぃ、悠里は変態さん、変態女なんだねぇ」

「え、あ…」
 すっかり動揺してしまった。

 すると…
「まあ、とりあえずぅ、カンパーイ」
 と、もう一人のミズキさんがこの流れを変えてくれる。

 だけど、わたしのドキドキは治まらないでいた…
 
 その間、このユリさん、ミズキさん、そして親友のマリはすっかりと打ち解けて盛り上がっていき…

「じゃあ、マリが唄いまぁす」
 カラオケが始まった。

 実は、わたしはまた、このカラオケが苦手なのだ…
 一人で鼻唄的には良く口ずさんで歌ってはいるのだが、人前で歌うということが苦手なのである。

 だからカラオケボックス等はほとんど行っことがない…

 だけどこの親友のマリは明るく、朗らか、正に明朗っていうタイプで、カラオケもガンガン歌う、そしてこんな酒席をどんどんと盛り上けてくれる…
 正にわたしとは真逆、正反対、太陽と月の関係なのであった。

 そしてわたしにはさっきのユリさんに云われた…

『あんたってさぁ、変態さん、変態女でしょう?…』
 の、言葉が心に引っ掛かっていたのだ。

 すると、隣に座っているそのユリさんが…

 そのユリさんの手が…

 スッと、わたしの脚に…


スカートから出ているわたしの脚に触れてきたのである。

「………」

 わたしはその瞬間、ビクッと反応し、脚を震わせてしまう…

「ほらぁ、やっぱりぃ、変態さんだわぁ…」

 ユリさんがそう囁いてくる…





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