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ビッケ
第1章 ビッケ…
 ④

「ぁ、うん、い、今はね、アンダー15のさぁ、クラブチームをさぁ…」

 だけどわたしは必死に、冷静さを装い、現状のクラブチームのコーチングの話しをしていくのだが…
 なぜか彼は足を動かさない。

 そして…

「ぁ…」
 和哉くんの手が…
 わたしのスカートの太腿の上に触れてきた。

 思わず、ビクンと小さく震えてしまう…
 そして和哉くんは、黙って、あの心に引っかかる目を向けてくる。

 あ、や、ヤバいかも…
 わたしにとって脚はひとつのキーポイントでもあるのだ。
 
 太腿に置かれた和哉くんの手が…
 熱く感じてきた。

 その置かれた部分がズキズキと高鳴り、疼いてくる…

「そ、そうなん…ですか…
 アンダーを…お、教えてるんすか…」
 和哉くんはわたしの目を見つめながらそう呟く。

 あ、ヤバい、口説かれてる?…

 せ、攻められてるの?…

「ぁ……」
 そして和哉くんの手が、少し動いたのだ。

 だが、それが、わたしのスイッチが入るきっかけとなった…

「ふぅ…ぅ…」
 わたしは喘ぎともいえない吐息を漏らし、スカートの上に置かれている和哉くんの手に、自らの手を重ねる。

 そして、じぃっと和哉くんの目を見つめ返し…

「……たい…の?…」

「え?…」

「…わたしと……したい?…」
 そう囁いた。

「え?…」

 そうわたしが囁いた瞬間、和哉くんの絡めている足と、スカートの上の重ねられた手が、ビクッと小さく震え…

「あ…」

 その、わたしの心に引っかかる不思議な目が一瞬泳ぎ…

「わたしと…したいの?…」

 もう一度問う…





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