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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第1章 プロローグ・いぬのおまわりさん
「異議《いぎ》あり!!」
「うちも異議《いぎ》あり!!」

事務長《じむちょう》はんの端にいた大番頭《おおばんと》はんが女性スタッフさんふたりを怒鳴りつけた。

「あんさんら!!だまって聞きなはれ!!」
「なんでジジイが横から入って来るのよ!!」
「そうよそうよ!!」
「やめなさい!!…すみませんでした…」

この時、マァマが大番頭《おおばんと》はんに対してペコペコと頭を下げてわびたあと女性スタッフさんふたりを必死になだめた。

このあと、事務長《じむちょう》はんは私の『教育』に関する事項をすべて読みあげた。

つづいて、『恋愛・結婚』に関する事項が発表された。

「つづいて、『恋愛・結婚』の項目について読み上げる…コリントイワマツヨシタカグラマシーは、日本の国で『恋愛』『お見合い』『結婚』をすることを厳禁《げんきん》とする…たとえ相手の女性が幼なじみであっても、『恋愛結婚』は一切認めない!!…コリントイワマツヨシタカグラマシーの恋愛は厳禁《げんきん》!!…とする!!」

事務長《じむちょう》はんは、よりし烈な言葉で実母の胎内《なか》にいる私に『恋愛厳禁《れんあいげんきん》!!』とボロクソに言うた。

それを聞いた女性スタッフさんふたりが、また事務長《じむちょう》はんに対して異議《いぎ》を唱えた。

「なんやねん一体もう!!」
「そうよ!!撤回してよ!!」
「やめなさい!!」

マァマは、必死になって女性スタッフさんふたりをなだめた。

事務長《じむちょう》はんは、その間に書面に記載されている項目をすべて読み上げた。

約6枚に渡ってつづられた書面を事務長《じむちょう》はんが読み上げたあと、イワマツの全財産《すべて》を私に生前贈与をするために必要な手続きを取る作業に入った。

それから30分後に、法的な手続きを取る作業が完了した。

これをもって、セヴァスチャンじいさんが書いた遺言書は完全に破棄された。

同時に、私の人生設計《ライフプラン》を変更することができなくなった。

人生設計《ライフプラン》を変更したい場合は、大番頭《おおばんと》はんたちのグループ全員の賛成が必要である。
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