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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第1章 プロローグ・いぬのおまわりさん
またところ変わって、今治警察署の生活安全課《セイアン》の部屋にて…

私は、泣いていた男の子を連れてここへやって来た。

私は、周りにいた職員たちに対して大丸の一階で泣いていた男の子を保護したあとここへ連れてきたことを伝えたあと、男の子を職員たちに引き渡した。

その後、私は警察署から出ようとした。

だが、職員たちに『待ってくれ〜』と言われて引き止められた。

私は、ものすごく困った表情で言うた。

「ちょっと、なんで止めるのですか〜」

私を止めた職員たちのひとりがものすごく困った表情で言うた。

「あの…しばらくの間ここにいてください…」

私は、怒った声で職員に言うた。

「なんで私がここにいなきゃいかんのですか!?」

職員は、口ごもった声で私に言うた。

「ですから、しばらくの間ここにいてください〜」
「おまわりさん!!私は男の子を保護したあとここにお連れしただけですよ!!」
「わかってますよぅ〜…ですが、しばらくの間ここにいてください〜」
「おまわりさん!!」
「なんでおますか?」
「私は、ゼンイで人助けをしたのですよ!!」
「わかってますよぅ〜」
「それなら私をここから出してください!!」
「わかってますよぅ〜…ですが、このままで終わらせることができないのです…」
「それはだれが言うたのですか!?」
「だれだっていいでしょ〜」
「コラ!!」
「ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ〜…そんなに怒らないでください…あの…その…」
「私がなんでここにいなきゃいかんのですか!?」
「ですから、男の子の親御さんに顔をあわせてほしいから…」
「コラ!!」
「ヒィィィィィィィィィィィィィィィ〜…」
「結局はカネもらえと言いたいのだろ!!」
「そうですよ…」
「オレはカネ目当てで人助けをしたわけではないのですよ!!」
「わかってますよぅ~…でも、少しくらいはもらった方が…」
「ふざけるな!!」
「ヒィィィィィィィィィ〜」

私と職員は、このあともヨレヨレになるまで大ゲンカをした。

その日の夜のことであった。

私は、警察署内にある留置場で寝泊まりするハメになった。

ああ…

とんだ災難に遭った…

部屋の片すみに座っている私は、そうつぶやいた。

この時私は、自分が生まれた時のことを思い出した。
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