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ビッケとビッチ
第3章 11月23日木曜日勤労感謝の日の夜…
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『明日から封切の○○○○ていう映画に行きませんか?』
 というLINEに…
 とうとうわたしの心が引っ掛かってしまったのである。

 そう確か、初めて会っ夜に、わたしを何度か映画館のレイトショーで見かけた事があると云っていた…
 そして和哉くん自身も映画が好きでよく行っているとも。

『分かったわ、映画に行きましょう』
 わたしはそうLINEの返信をする。

『まじですか、やったぁ』
 と、喜びのメッセージと、何かのキャラクターが踊っているスタンプが来た。

『だけど、明日の勤労感謝の日はバスケットの練習試合があるから、18時以降ね』

『じゃあ、メシしてレイトショーで♡』

 まるで映画デートになってしまう。

 せっかく、必死に気持ちを抑えていたのに…

 でも、生理だし…

 食事して、映画観て…

 少しお茶でもして…

 と、わたしは気楽に考えていたのであった。

 そして翌日、11月23日木曜日勤労感謝の日の祝日の17時30分に駅前待ち合わせで、和哉くんに迎えに来てもらう。

 わたしのマンションは、本当に駅前のマンションなのであるが、今は内緒にしていた…
 だから駅前迎えなのだ。

 そして時間5分前に待ち合わせ場所の駅前に行くと、和哉くんは4WDで待っていた…

「お待たせ、でもまだ5分前よ」

「当たり前っすよ、悠里さんを待たせる訳にはいかないっすから」
 さすが、かわいい言葉を言ってくる。

「そう、ありがとうね」

「いや、あっ、うわぁ」
 するとそんな声を上げてきたのだ。

「え、どうしたの?」

「あ、いや、すごく綺麗だから…」
 と、ハートの目をして、そんな嬉しい言葉を言ってくれてきたのである…
 思わず心がくすぐられてしまう。

 今夜のわたしは…

 黒い、少し胸元の開いたブラウス…

 黒いワイドな七分丈のパンツ…

 そして濃紺の今年流行りのソリッドボタンニットのカーディガンを着ていた。 

 生理中はあまりスカートは履かないのだ…

「あ、僕…やばいっすね」
 と、和哉くんは自分自身を見て、そう呟いてくる。

 今夜も相変わらずのパーカートレーナーにジーンズ、そしてスケボーブランドのスタジャンにナイキのスニーカーといういつものスタイルであった…




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