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ビッケとビッチ
第8章 12月31日日曜日大晦日の夜…
 1
 
 わたしは和哉くん、ビッケとのクリスマスのセックスを経て、彼に対しての揺らぐ想いについに開き直った…
 いや、ようやく開き直れた。

 すると心がスーっと落ち着き、素直に快感の余韻に浸りながら、ビッケの腕まくらに包まれながら彼という存在感に抱かれていると…
 すっかり射精し尽くし、落ち着いてきた彼が訊いてきた。

  
「あ、あのぉ…」

「え、なに?」

「ね、年末は?」
 
「え、年末って?」

「あ、いや、だから、そのぉ…」

「あ、そうかぁ」

 クリスマスが終わったら、年末、年越し…
 と、恋人たちのイベントは目白押しなのである。

 そして彼、ビッケも、さっきのわたしの雰囲気を察し、すかさず攻めてきたという訳か…

「あ、はい、年末の予定なんかは?」

「ふぅん、そうかぁ…」

「あ、な、何か予定とか?」
 少し不安げな顔で訊いてくる。

「あぁ、うん、予定は…あるわよ…」

「え…、あ、あるんすか…」
 がっかりな顔をしてきた。

「うん、あるの…」

「あぁ…」
 そのがっかり顔が…
 また、かわいいのだ。

「うん、そう…
 かわいいペットと過ごそうかなぁってね…」

「え…あ、そうすかぁ……えっ?
 ぺ、ペットってぇ?」

「うん、かわいいペットのさぁ…」

 ビッケと過ごそうかなぁってさぁ…

「え、あ、ま、マジっすかぁ?」

 ようやく理解したようだ…

「うん、マジっす」

「う、うわぁ、ゆ、悠里さぁん…」
 かわいいペットのビッケは、そう感嘆の、感激の声を上げながら抱き付いてきた。

「うん…
 かわいくて、大好きなビッケと過ごそうかなぁってね」
 と、わたしはそう言ってあげた…
 いや、言ったのだ。

「ま、マジっすか?」

「うん…マジっす」

 そうわたしは開き直ったのだ…

 もうなるようになれだ…

 つまらない計算なんてしない…

 そして…

 もう…

 怖がらない…

「でも…
 もっと感じさせてくれたら…ね」

 そう、ビッケ、いや、和哉くんが大好きだ…

 いや、今は…

 大好きなんだ…


 そして…

 そんな12月25日のクリスマスの淫靡な夜が過ぎていき…


 次は…

 もう一つの恋人たちのイベントである…

 年越しという夜を迎える…



  


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