この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
12歳年下の彼とクリスマスする話
第8章 雄介からの電話
羊毛フェルトで作った
サンタやトナカイを
売っているお店もあって。
クリスマスの雑貨は
こうして眺めているだけでも
クリスマス気分を盛り上げてくれる。
『巴さん、シュトーレンって
売ってるの見た事あるんですけど
食べた事ってありますか?』
売ってあるシュトーレンを
指差して港斗が巴に言って来て。
確かに…買い物に行く
何時ものスーパーの
パンコーナーにも…シュトーレン
売ってるのは…みたし…。
確か…あれだよね…、
クリスマスまでの期間
ちょっとずつ切って食べるって
そんな物だった気がする。
「ううん、売ってるのは
見た事あるけど、食べた事ない…な」
ちょっといびつな形をした
粉砂糖まみれの、
ドライフルーツの入った
水分の少なそうなパウンドケーキ
って言うのが私のシュトーレンへの
イメージなんだけど。
別に雄介さんがそんな物に
興味を示す訳もないので。
当然…私も買った事もなければ
口にした事もない代物だった。
『どうだい?お二人さん本場の
シュトレン買って行くかい?』
シュトーレンはドイツのお菓子で、
現地ではシュトレンと発音して
伸ばすのは日本での呼び方なのだそうだ。
ドイツではクリスマスまでの4週間を
アドベントと呼ぶのだそうで。
そう言えばアドベントカレンダーって
そんな小さなオーナメントとか
入ってるのがあるから。
何となく聞いた事はあるけど。
そのアドベントの期間中に
家族や親しい友人とクリスマスを
待ちわびながら食べるのがシュトレン。
『シュトレンは、勿論
日持ちする物だし、
時間が経つ程味が馴染んで
美味しくなって来る物なんだよ』
出来立てとか焼きたてが
100の状態なのではなく、
じっくりと時間をかけて
美味しさが増して行くものなのだそうだ。
1本は毎日朝ご飯にしても
食べきれる自信がなかったので
半分のお値段のハーフサイズの
シュトレンを購入して。
可愛らしいサンタさんと
トナカイさんの羊毛フェルトの
マスコットを購入した。
ホットチョコレートを買って
海側のプロムナードから
さっき居たメリケンパークの
メヤメヤの方を眺めながら。
温かいホットチョコレートで
彼と一緒に身体を温める。