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第10章 彼と私のクリスマス

満点の星空の下にでも
自分達は…居る様な気分になる。

地下の３階の１フロアだけでも
見る物が多すぎて、それなりに
時間が…かかってしまったのだが。

地下の２階はルネッサンス
バロックのフロアで
有名な名画の復元画を楽しめる。

それこそ、こう言うのに
全く興味ない人でも知ってる。
ヴィーナス誕生や、
レオナルドダヴィンチの
最後の晩餐の修復前と
修復後を一緒に見比べられたり。
モナリザやフェルメールの
耳飾りの少女等は誰もが知ってる。
名画中の名画の数々だ。

外には円形の庭に…
蓮のある池があって。
その池の奥には、モネの
大水連が…楽しめる様になっていて。
夏なら、リアルの水連と
絵画の水連を楽しめる仕様の様だった。

クリスマスの…ではないが、
壁一面に可愛いバラのある
フォトスポットがあって。
ＳＮＳ映えが凄そうな場所だったんだけど。

色味の違うピンクのバラの壁面には
OTSUKA　MUSEUM　OF　ART　
と中央の円形のプレートに書かれていて。

この美術館の２５周年を記念した
期間限定のフォトスポットらしく。
約７２００輪のアートフラワーが
使われている豪華なフォトスポットだ。

バラの壁をバックに
アンティーク調のソファに
座って記念撮影が出来る。

スマホをセットする台があるから
タイマー設定にすれば、
一緒に記念撮影が出来る。

『巴さんあの椅子、
座って下さいよ。
巴さんには白も良いですけど、
淡いピンクのバラも似合いますよ』

ほらほらと促されてしまって、
そのお洒落な椅子に座って。
彼に数枚…、写真を撮られて。
交代して彼の写真も撮って。
最後にスタンドを使って、
ふたりで一緒に記念撮影をした。

地下１階は、バロックと近代エリアで。

ここでも見た事ある…あるの
名画達が楽しめるようになっている。

ゴッホのひまわり。
マネの笛を吹く少年。
ルノワールの
セーヌ川の船遊び。
ミレーの落ち穂拾い。
そして、ムンクの叫びだ…。

『復元画ならではですよね？
どんな特別展でも、
こんな色んな時代の世界の
名画を一度に楽しむなんて出来ませんし』

そんな話をしながら、
大分時代も現代に近づいて来て。