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12歳年下の彼とクリスマスする話
第10章 彼と私のクリスマス

そう言いながら彼が
テーブルの上に置いていた
お皿の上に乗っている
まだ使ってないフォークに
自分の手を伸ばすと。

巴が1口分を切り分けた場所ではなく
自分の前の部分のケーキを
巴の口のサイズに合うように
1口分切り分けてくれて。

『巴さんも一緒に食べましょうよ、
クリスマスケーキ、美味しいですよ?』

はいどうぞと…そのチョコレートの
ケーキを巴の口の前に持って来て。

こっちが…恥ずかしがって
控え目な口しか開かないのも
見越している感じのサイズの
ケーキに悔しい様な
嬉しい様な恥ずかしい様な
そんな複雑な感情を抱きつつも。

ぱくっ…とケーキを口に入れると。

口の中にいっぱいに、
濃厚なチョコレートの香りが広がる。

「んんっ!!美味しい…ッ」

『ですよね?
巴さんが美味しいって
言ってくれて、良かったですよ。
はい、巴さん。
もう1口どうぞ?』

さっきよりも…ちょっと
サイズアップした大きさの
チョコレートケーキを、
彼がこちらに差し出して来て。

巴がそのケーキを
あーんをして自分の口に含むと。
ムッ…としながら、自分が
持っているフォークで
明らかに大きすぎる感じの
サイズにケーキをフォークで
切り取って、ズイっと彼の口元に差し出した。

「はい、港斗君も…どーぞ
美味しいケーキ沢山食べてね」

『ちょ…、巴さんッ多い…
それは…1口は多すぎますよ…。
僕にケーキ食べさせられるの…
恥ずかしかったって事ですか?』

「恥ずかしかった…のも…あるけど
その……申し訳なかったなって…」

『申し訳なかったって
一体なにが、申し訳なかったんですか?』

大きいサイズの切り分けたケーキを
巴が半分のサイズにすると
もう一度港斗の口元に差し出して
港斗も差し出されたケーキを
口に入れて頬張った。

「だから…その…、
クリスマス…の…事…なんだけど。
港斗君に…色々用意して貰って
楽しませて貰っただけだったな…って」

『僕は…その…、巴さんと…
お付き合いできるんだったら。
クリスマス…は…、巴さんの
彼氏として恋人同士のクリスマスを
2人きりで過ごしたいな…って
あの時から…ずっと思ってたんで』

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