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蛇神様の花わずらい
第9章 ホテルにて
穂波に連れられて入ったのは、いわゆるラブホテルという場所だった。

正確にはブティックホテルというらしいが、美鎖にそんな知識はない。

「へー、あんまり特殊って感じはしないね」

穂波がダブルベットにダイブする。

美鎖は入口でスリッパをはいたまま固まっていた。

ラブホテルといったら、いかがわしさの総本山である。
お城のような建物の前に来たときは、誰かに見られるのが怖くてためらっている余裕などなかった。
部屋を決める時も、他の利用客と鉢合わせしたらどうしよう、ということばかり考えていて、隠れるようにエレベーターに飛び乗った。
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