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蛇神様の花わずらい
第13章 着付け室にて
鑑の中の美鎖は顔を真っ赤にして喘いでいる。

肩越しに、雪影の顔が見えた。
眉を軽くひそめるようにして、うっすらと頬を上気させている。

そんな目で見ないで欲しい。
いつも大人びて落ち着いている雪影が、迷子のように不安げな表情で美鎖にすがり付いていて。

その手を、振りほどけなくなる。

「好き、好きです……美鎖、私を見て……」

湿った唇が、かすれた声で愛の言葉を囁く。

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