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蛇神様の花わずらい
第2章 巫女の一族
男の人なのに、その唇はとても柔らかかった。

目を閉じることも出来ずに固まっていると、顔を離した雪影が微笑んだ。

「可愛いですね」

大人びた視線に、カッと頬が熱くなる。

「雪影ばっかりズルい」

金髪の穂波が、いつの間にか美鎖の頭の方に回り込んでいた。

「順番はもう決めてあっただろーが。大人しくしてろ」

右手には黒髪の暗夜が座っている。

どこかで、この光景を見たことがあるような。
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