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続々ストリート・キス
第1章 続々ストリート・キス
にもかかわらず、道の真ん中で抱き合ったりキスしたり、この前なんかホテル…いや。それは考えない。考えてはいけない…のに、考えちゃうよ僕だって男なんだ!ああ…もう!すごく好きだ香奈美さん…。
昔に付き合っていた女の子とのキスがどんな感じだったのか思い出せない。彼女とのストリートキスの記憶でぜんぶ上書きされてしまったから。
二次会のカラオケのあと、いつものように集団から抜け出した僕たちは、いつものように二人だけでチェーンの居酒屋へ行った。案内されたカウンター席で、周囲の客の目も気にせずにいつものように火のついたタバコを交換しながらの間接キス。酒もいっぱい飲んだ。馬鹿みたいに楽しかった。多分、はしゃぎすぎたのだろう。彼女の向こう側にいた中年の男性が、僕たちの会話にいきなり割り込んできた。
「ずいぶん楽しそうだな」
そいつの目が据わっていた。酔っ払いだ。彼女はそいつを無視した。するとそいつが呂律の回らない口で「いい女だな」と言った。男としてこいつと対決すべきかどうか、一瞬、迷った。
「江田くん。あっちの席に移ろうか」
昔に付き合っていた女の子とのキスがどんな感じだったのか思い出せない。彼女とのストリートキスの記憶でぜんぶ上書きされてしまったから。
二次会のカラオケのあと、いつものように集団から抜け出した僕たちは、いつものように二人だけでチェーンの居酒屋へ行った。案内されたカウンター席で、周囲の客の目も気にせずにいつものように火のついたタバコを交換しながらの間接キス。酒もいっぱい飲んだ。馬鹿みたいに楽しかった。多分、はしゃぎすぎたのだろう。彼女の向こう側にいた中年の男性が、僕たちの会話にいきなり割り込んできた。
「ずいぶん楽しそうだな」
そいつの目が据わっていた。酔っ払いだ。彼女はそいつを無視した。するとそいつが呂律の回らない口で「いい女だな」と言った。男としてこいつと対決すべきかどうか、一瞬、迷った。
「江田くん。あっちの席に移ろうか」