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続々ストリート・キス
第1章 続々ストリート・キス
手を挙げた彼女が店のスタッフを呼んだ。とろんとした目でこっちを見ている酔っ払いに構わずに、逆サイドのテーブル席に移動する。
「なんだよ。ちょっと話しかけただけじゃん」
酔っ払いのつぶやきが聞こえた。
…いい女か。うん。なるほど。
「なにあのおじさん。酔っ払いってイヤよね
「そうですね」
あらためて彼女と乾杯をした僕はさっきの酔っ払いの言葉を考える。いい女。大人の…すてきな女。ぴったりだ。彼女がいわゆる美人なのかそうじゃないのか、すでにぞっこんになっている僕にはそんなものはわからない。どうでも良かった。大好きになってしまった人の外見の客観的な評価なんて下せるはずがないからだ。でも、いい女という評価にはグッときた。酔っ払いのおじさん、ありがとう。
「香奈美さん」
「なあに」
「好きです。僕は香奈美さんが好きです」
ずっと言いたかったその言葉を彼女に。すると僕の告白を聞いた彼女がそれまで見たことのない表情を浮かべた。冷めたとか困惑でもない。
「私なんかより…もっと若い…かわいい女の子が…いるでしょう」
途切れ途切れに言う彼女の伏せた目は僕を見ていない。
「香奈美さんが好きなんです」
「なんだよ。ちょっと話しかけただけじゃん」
酔っ払いのつぶやきが聞こえた。
…いい女か。うん。なるほど。
「なにあのおじさん。酔っ払いってイヤよね
「そうですね」
あらためて彼女と乾杯をした僕はさっきの酔っ払いの言葉を考える。いい女。大人の…すてきな女。ぴったりだ。彼女がいわゆる美人なのかそうじゃないのか、すでにぞっこんになっている僕にはそんなものはわからない。どうでも良かった。大好きになってしまった人の外見の客観的な評価なんて下せるはずがないからだ。でも、いい女という評価にはグッときた。酔っ払いのおじさん、ありがとう。
「香奈美さん」
「なあに」
「好きです。僕は香奈美さんが好きです」
ずっと言いたかったその言葉を彼女に。すると僕の告白を聞いた彼女がそれまで見たことのない表情を浮かべた。冷めたとか困惑でもない。
「私なんかより…もっと若い…かわいい女の子が…いるでしょう」
途切れ途切れに言う彼女の伏せた目は僕を見ていない。
「香奈美さんが好きなんです」