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続続々ストリート・キス
第1章 続続々ストリート・キス
 甘い声に誘われ、彼女の肩を抱いて歩く。抱いている彼女をこっそり見下ろす。アシメントリーな襟の白いブラウスに黒い襞スカートにエナメルのパンプス。小さな黒いショルダーバッグ。ちょっとおしゃれな装いの彼女。シックで大人の色気がある。
「江田くん。まだ時間ある?」
「大丈夫ですよ」
 彼女の足が止まったので僕も立ち止まる。彼女は何も言わない。僕もしゃべらない。もの言わぬ彼女の視線の先にホテルの入り口があった。彼女の肩を抱いたまま、僕の足と彼女の足がそちらへ向く。彼女は何も言わない。
 無言でエレベーターに乗り、ほの暗い廊下を歩き、部屋に入るなり、服を着たまま抱き合った。
「もっと強く抱いて」
 もっと強く貴女の体を抱きしめる。もっと。もっと強くと貴女が僕に囁きかける。
「それしか力が出ないの。ねえ。もっと」
 もっと強く、僕は抱き寄せる。貴女の体が砕けてしまいそうなほど、貴女の背骨が折れてしまいそうなほどに。
 そしてキス。キス…キス。唇と唇が触れ、最初はそうっと、何かを確かめるように、そうっとキス。触れたり離れたりしながら次第に強く、淫らに大胆に、むさぼるように。
「あ…う」
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