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第9章 気持ちの変化

「話って？何かな…良い話かな？それとも悪い話かな？」

亨は、栞奈を真剣な表情で見つめた。

「ごめんなさい…私、自分勝手だったね…あなたの為だと思った…
　私は人妻…こんな私と付き合っても…幾ら私があなたを好きになっても
　私たちは一緒には居られない…そんなハンデがあるような恋愛よりも
　あなたにはもっと良い人が居るんじゃないか、あなたにはもっと幸せになって欲しいと思　って…自分から連絡を絶ったの…」

「うん…でもさ、それは俺が決める事だよ…俺の幸せは俺が決める…栞奈がどうしても
　俺と一緒に居たくないし、連絡も取りたくないって言うなら…別だけど…
　俺は、お前と一緒に居て凄く幸せだった」

「でも、私には…」

亨が栞奈の手を握った…

「お前には旦那が居る…それは知ってるよ…それでもお前が好きなんだ…
　家庭を壊そうとも思ってない…旦那から奪いたいとも思ってない…
　でも、こうやってお前と少しの時間居られるだけで良いんだよ…」

栞奈は、最初に亨に電話してからの事を全て話した。

亨は最後まで話を聞いてくれた…。

「結局、旦那は浮気はしてなかったんだろう？」

「うん…」

「だから、自分も裏切る事は出来ないっていう事か？」

「うん…」

亨は、握ってた栞奈の手を離した。

「お前はどうなんだ？」

「えっ？」

「お前の気持ちはどうなの？旦那に悪いとかじゃなくて、
　お前は俺の事どう思ってるの？」

栞奈は口を閉ざし俯いた…。