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禁愛
第14章 展開
心臓はドキドキと鼓動が早くなり、手と足は震えていた。

「栞奈さん、昨日ちゃんとご挨拶したかったのに…」

「どうして?」

声を震わせ、栞奈は精一杯声を出した。

「少し、ゆっくり話せる?」

「えっ?…でも…」

「そこのカフェで待ってるから、時間を作って来て…」

美和は、返事を聞かずに店を出た…

栞奈はその場に座り込み…動くことが出来なかった。

『亨…電話したら迷惑かな…でも…どうしたら良いの?』

幸い、スタッフが休憩から戻ってくるまでお客は入らずに居た。

戻りましたと…言われ、栞奈は再び事務所に戻る。

携帯を取り、亨に電話を掛けた。

何回かコールを鳴らしても…亨は忙しいのか出る気配が無かった。

「早く出て…お願い…」

しかし、栞奈の願いも虚しく亨は電話には出なかった。

時計を見るとそろそろ遅番のスタッフが来る時間、

スタッフが二人態勢になる時間しか抜ける事が出来ない・・・

行くべきか行かないべきか決断が出来ずに居た。

しかし、美和の考えが全く分からず…動悸は激しく胸を打つ…

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