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禁愛
第5章 葛藤
優サイド…。

いつもの様に仕事をし、その隙に栞奈に電話をする…。

「出ないな…どうしたんだろう…」

電話に出ない栞奈を優は心配していた。

そんな姿を見ていた美和が声を掛ける。

「優、どうしたの?」

「うん、栞…あっ…妻が電話に出なくてさぁ、何かあったのかなって思ってね」

美和は自分が原因だと、すぐに分かったが…
罪悪感は全くなかった。

「心配性ね!フフフっ奥さんだってもういい年でしょう?大丈夫よ!きっと大丈夫」

「まぁな…」

「仕事!仕事!」

優の肩をそっと叩き、また微笑んだ…。

しばらくして、優の携帯が鳴った。

美和は栞奈だと直感的に分かった。

すぐ、隣で話をしているため、内容はすぐに分かった。

『奥さん、私の事、聞かないのねぇ…まぁ聞けないかぁ…気が弱そうだったしねっ
 フフフ』

優が電話を切り、仕事を始める。

「奥さん?」

「あぁ」

「何かあったって?」

「いいや、いつもの妻だったよ」

美和は何かを確信したかのように笑みを見せた。
そんな美和の気持ちに、優はまだ気づいていない、
そして、栞奈の変化も気づかなかった…。

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