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【全話版】ストリート・キス
第5章 告白…したのに
「嘘だぁ」
 食い下がった僕へ意外な返事があった。
 …嘘って…なんだ?どういう意味なんだ?
 ごめんなさいとか、たとえば"好きにならないで"とかの拒絶の言葉なら理解できる。というか何度も彼女の方からストリートキスまで迫っておいて、混んでいる居酒屋で間接キスまで…だから拒絶されるとは思えなかったけれど。
「嘘じゃないです」
「ふうん」
 嘘だと言われたのを打ち消してみても彼女の反応はよくわからない。
 …これ以上、この件を深掘りするべきじゃない。
 僕の直観がささやく。
「あと一杯飲んだら出ようか。外の空気を吸いたいわ」
 微妙な表情からパッと明るい顔に戻った彼女が、かすかな上目づかいで僕を見て、かわいらしく笑う。覗いた真っ白な歯がかわいい。
「お散歩しようよ。ちょっと酔っ払っちゃった」
「あ、そうですね。行きましょう」
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