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【全話版】ストリート・キス
第5章 告白…したのに
 好きになってしまった人に"私も行きたい"なんて言われたら返事は決まっている。
「来ますか?」
 誘っておきながら、僕は彼女がまさか「うん。行く」と即答するなんて思ってもいなかった。だからとても驚いた、と同時に彼女に会えるのが嬉しかった。待ち合わせの時刻を合わせる。
「じゃあ、あとで」
「はい。先に行って待ってます」
 浮かれつつも、本当に来るのかなと半信半疑だった。
 この日が僕と彼女初の昼間のデートだった。その後も土曜日か日曜日の午後に、僕が彼女を誘うかそれとも彼女から誘うかして何度もデートをした。デートと言っても、いつも池袋のデパートや繁華街をぶらぶらしてウインドウショッピングしたりするだけ。時間があれば、どこかのカフェでコーヒーを飲みながら雑談する。それだけだ。それでも僕は楽しかった。彼女も楽しそうだった。
 ちょっとだけオシャレな装いの彼女は、僕が普段見ている仕事モードの彼女とはちょっとだけ違って見えて、何だかちょっとだけ特別な感じがした。
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