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【全話版】ストリート・キス
第8章 昼下がりの公園でセックス〜あなたの子どもが欲しいの
 彼は僕という存在をどのように捉えていたのだろう。彼女は息子さんへ僕をどんな風に説明していたのか?聞いたことがないのでわからない。きっと「お母さんが一緒にお仕事をしているお兄さんよ」とか言ったのではないか。
 彼のお父さんは遊んでくれない。遊んでくれる大人の男性はおそらく僕だけだ。その大人の男が親戚の叔父さんなどではなく、母親の仕事の関係者という点に、幼いながらも違和感を抱かなかっただろうか。
 いずれにせよ僕は翔太君が好きだった。その気持ちは僕を軽い混乱に導いた。自分が愛した女性の子どもという存在に馴染めなかったのだ。翔太君の半分は彼女の血で出来ていて、もう半分は家族を蔑ろにしている男の血で出来ていて、それなのに翔太君が好きだという矛盾に戸惑いを感じていた。
 彼女の夫、翔太君にとっての父親は自分の一人息子と遊んでやったりしない人だった。仕事以外の時間は自分だけの世界にこもってひたすら一人で酒を飲む。家族を顧みない人。そんな人物だったからこそ彼女は僕なんかと…。   
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