この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【全話版】ストリート・キス
第9章 水面きらめく湖のほとりでエッチ
 七月の終わりか八月の初めだったと思う。夏休み休暇を利用して一人でウィーンへ行ってくるという話を彼女から聞かされた。ウィーン大学の聴講生としてだったような…僕の記憶違いかもしれない。社会人の語学留学みたいな話だった。期間は二週間か三週間。ついでにモーツァルト生誕の地であるザルツブルクへ足を伸ばすと言う。
 憧れのウィーンへ行く話をする彼女はとても嬉しそうだった。その様子を見て、彼女が僕の手の届かないところに行ってしまう、今までの僕たちの関係を投げ捨て、僕だけを置き去りにして行ってしまう、そんな気がした。
 三週間も彼女に会えないのは寂しい。僕がそう言ったら彼女は変なことを言った。「時が解決してくれるから」とか。確かそんな言葉だった。
 彼女は別れたがっている。ウィーン行きで二人が物理的にも離れ離れになるのをきっかけにして、僕との関係を絶とうとしている、そう感じた。
 彼女を失うのが怖かった。彼女は僕のすべてだったから別れるなんて考えられない。
「時が…」
 同じ言葉が繰り返され、そのニュアンスの中にためらいを感じた。彼女も迷っているのだ。 
/88ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ