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【全話版】ストリート・キス
第12章 オペラ公演でエッチ
秋。待ちに待ったドイツのオペラハウスの引っ越し公演がやって来た。この春に、僕と彼女はチケットを買っておいたのだ。演目はリヒャルト・ワーグナー作『ニーベルングの指環』で、全四作品を四日かけて公演を行う。
引っ越し公演の話をした時、彼女はあまり興味を示さなかったので「わたしも行く」と言われたのには驚いた。と同時に一緒に行けるとわかり、喜びが湧き上がった。
チケットは事前申し込み制で、S席だと四公演通しチケットが総額二十万円近くもした。社会人一年目の独身者にとっては痛い出費だ。彼女に相談したところ、
「滅多にないチャンスなんだからS席にするべき」
そんな風に断言され、それもそうだと納得した。さらに確か…。
「わたしがチケット代を出してあげても」
みたいなことを彼女に仄めかされ、断ったような記憶がある。とにかくチケット代金は僕と彼女それぞれで負担し、申し込みおよび支払い手続きは、夏の前頃にまとめて僕がやった。
引っ越し公演の話をした時、彼女はあまり興味を示さなかったので「わたしも行く」と言われたのには驚いた。と同時に一緒に行けるとわかり、喜びが湧き上がった。
チケットは事前申し込み制で、S席だと四公演通しチケットが総額二十万円近くもした。社会人一年目の独身者にとっては痛い出費だ。彼女に相談したところ、
「滅多にないチャンスなんだからS席にするべき」
そんな風に断言され、それもそうだと納得した。さらに確か…。
「わたしがチケット代を出してあげても」
みたいなことを彼女に仄めかされ、断ったような記憶がある。とにかくチケット代金は僕と彼女それぞれで負担し、申し込みおよび支払い手続きは、夏の前頃にまとめて僕がやった。