この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
人質交換を託された女
第9章 板挟み
脳内にはクモの糸に絡め取られた蝶が浮かんだ。そして一筋縄ではいかないことを理解しながらも、無駄な抵抗に拍車がかかり、もつれた糸を辿るように必死にもがき、出口の見えない網の中を彷徨(さまよ)っているようだった。

肉体の細部に至るまで、緻密に掛けられた縄から発せられる音は、絶妙な旋律にも似た調べだった。その肉体の節々が耽美な封印で紡がれる音を、目を閉じて聴いていると、縄張りという歯がゆい境界線を意識する。

再び一線を越えてしまうわけにはいかない…という、己を律しようとする自制心が働けば働くほど、肉体の抜け道からは、愛液という女の熱い本音を感じてしまう。その誘惑が、「ァン…」と吐息を吐き出させ、肉体を熱くさせる。

目を開けば、佐伯さんの胸を隠す腕が、彼女の呼吸に合わせ動いていた。その直後、佐伯さんが小さく、「あっ…」と声を出し、体と脚が前に動いていた。

私の背後には補佐役の男が近付き、うつ伏せの私の体に覆いかぶさってくる。首を左右に振り、男の両手が近くに置かれていることを知った。どうすることもできなかった。

私は彼女の危機も救ってあげられなかった。
「はっ…」と佐伯さんが慌てた声を出した。
/237ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ