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第9章 板挟み

佐伯さんの腕は胴体に隠れ、見えなくなった。彼女は後ろに回された腕が気になり、肩越しに何とか後ろを見ようとする。同時に、立てた両膝も左右に動いていた。心が乱れ始めていた。

2人は互いの、他の行員たちの存在を気にかけ、板挟みになり、自身を犠牲にし、窮地に陥っていた。2人が歩むのは、女として大切なものを男たちに捧げる、苦難の道かもしれない。

お尻の盛り上がりは、男たちの緻密な罠により、縄の封印がされておらず、剥き出しにされていた。それは皮肉にも形を変えず、左右の張りは観音開きのように、滑らかに広がり、男根が女の洞窟へと進む道標（みちしるべ）になってしまった。その洞窟の中には、女の甘い恥蜜で溢れていた。

男根がゆるやかな坂道を這うように進んでくる。その先には、女の内心というべき、湧水を深く湛（たた）えている恥唇があった。そこだけは閉じられていてほしかった。

「んぐぅ…」

男の先端は絶望の淵を舐めるように進み、容易に抜け出せない、底深く、拒まめない、奈落の闇に吸い込まれた。

「ンンンンッ…」

全てが奥まで飲み込まれ、刺激の大きさに、逃げ腰になって、指先を広げ、降参の合図をしているようだった。何も掴めない状況に、囚われの身である自分自身を実感し、再び蓋をされた体をよじって悶えてしまう。乗り越えられない刺激に、虜になってしまう恐れから、首を何度も横に振っていた。