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人質交換を託された女
第2章 身柄拘束
それに、この椅子は背もたれ部分と座面が独立していた物で、座面と背もたれを繋げる部分には、支えるためのパイプのような物(蛇腹)があった。私の両手首はその蛇腹の向こう側に縛られていた。つまり体を前に動かそうとすると、その支柱が手首に当たり、体の動きが制限される。手首のロープを解かない限り、この場から動けなくなった。
私は荒い息のまま、けして下を向かず、犯人たちに身柄を拘束された悔しさに口をつぐんだ。銃口を私に向ける男の目を睨みつけていた。このくらいのことしかできない。大人しく背もたれに体を預けた。
イヤホンからは、「どうしたんだ!」と問われていた。
別の男が何の警戒心もなく、ロープを持って堂々と近付いてくる。目が笑っていた。すぐにしゃがみ、私の両足首まで縛ろうとしていた。
私は荒い息のまま、けして下を向かず、犯人たちに身柄を拘束された悔しさに口をつぐんだ。銃口を私に向ける男の目を睨みつけていた。このくらいのことしかできない。大人しく背もたれに体を預けた。
イヤホンからは、「どうしたんだ!」と問われていた。
別の男が何の警戒心もなく、ロープを持って堂々と近付いてくる。目が笑っていた。すぐにしゃがみ、私の両足首まで縛ろうとしていた。