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人質交換を託された女
第14章 惜別の品
髪を後ろに結んだスカーフを外し、頭を振り、たとえ苦しい汗を吸い、艶を失った髪でも、自由にさせてあげたかった。スカーフは脱がされたばかりのシャツの上に、そっと置いた。ここに来た時の衣服は全て剥ぎ取られ、一糸まとわぬ姿となっていた。
「ふぅ…」と鏡の前で大きく溜息をついていた。
彼女に貸してもらった服は、どれもスリム過ぎるもので、私にはきつかった。キャミソールとショートスパッツは体への締めが強く、着用するのを断念した。もうすぐ身にまとうタイトな衣服を考えれば、肉体に余裕を持たせておきたかった。
他の行員女性と同じ外見になるようにした。シャツの上からベストを羽織り、スカートに黒のストッキングを穿き、皺のないスカーフを首に巻き、見た目は地味な銀行員になっていた。
「ふぅ…」と鏡の前で大きく溜息をついていた。
彼女に貸してもらった服は、どれもスリム過ぎるもので、私にはきつかった。キャミソールとショートスパッツは体への締めが強く、着用するのを断念した。もうすぐ身にまとうタイトな衣服を考えれば、肉体に余裕を持たせておきたかった。
他の行員女性と同じ外見になるようにした。シャツの上からベストを羽織り、スカートに黒のストッキングを穿き、皺のないスカーフを首に巻き、見た目は地味な銀行員になっていた。