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人質交換を託された女
第14章 惜別の品
「ふぅ…」と観念の息を吐き出す。

彼の縄が腕に通され、私は「はぁはぁ…」と息が荒くなる。拘束の輪が腕を包み、余裕がなくなり、キュッと締められると、「ン…」と吐息を漏らし、肩を壁に預けていく。

「きつくないか…?」と彼が訊いてくる。

私は垂れ下がる髪で、表情を隠して答えていた。

「ひ…人質ですから…遠慮しないでください…ちょっとくらい…きつくても大丈夫です…緩かったら怪しまれます…」

彼は私の頭にキスをして、「分かった…」と言うと、後ろから胸元に縄を這わせてくる。私は項垂れ、胸元を這う縄を見つめていた。

左右の二の腕が縄で包まれ、囲われ、縄で絞られていく。締りが徐々に強くなるのに合わせ、「ァ…ァ…ァ…」と徐々に吐息が漏れる音が大きくなってしまう。
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