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人質交換を託された女
第14章 惜別の品
彼の意図がすぐに伝わり、私の目には涙が溜まっていく。

「さあ…来い…」と強引に連行され、女子更衣室の中に入っていく。

名札が掛けられていない、部屋の隅の、狭い扉が開けられた。

中には何もなかった。ただ靴を置くくらいの低い棚が、下にあったくらいだった。そこに背を向け、座る形で、そっと中に体を収められた。声を出そうにも、鼻を抜ける、「ふぅ…」という息の音しかしなかった。

彼に足首を揃えられ、私は目を閉じた。きつめにギュッと足首を、緩く足の甲まで縛られた。

彼が私を見つめていた。縛った足首をロッカーの中に収め、余った縄を太ももに巻き付け、足首に括り付けていた。
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